別冊整形外科第33巻:47-51,1998.
 pQCTによる骨密度測定では、真の骨体積密度(mg/cm3)を解析し、海綿骨密度と皮質骨密度を分離して解析し。合わせて断面の形態を観察することができる。また、末梢骨でも測定から腰椎QCT法に比べて再現性がよく、被曝線量がきわめて少ない。このpQCTを用いて解析した橈骨遠位端における骨粗鬆症の病態について検討した。
 20〜89歳(平均60.3歳)の女性1,557例、そのうち胸腰椎に圧迫骨折を有するものが49〜88歳(平均73.8歳)の151例 について、pQCTを用いて橈骨遠位端の骨密度と形態計測を行い、骨粗鬆症の病態について検討した。加齢による橈骨遠位端の海綿骨・皮質骨密度の減少ならびに皮質骨断面比の減少(皮質骨厚の菲薄化)と断面積の増大(periosteal expansion)が50歳代から認められた(図1)。皮質骨の骨粗鬆化は、骨密度の減少よりも皮質骨量(皮質骨断面比)の減少によるところが大きく、全骨密度に大きく影響を与えた(図1)。pQCTによる橈骨遠位端でも、骨粗鬆症(脊椎圧迫骨折)の分離は可能であった(図2)。骨粗鬆症の判定には他機種との互換性から全骨密度が適しているが、海綿骨密度、皮質骨密度、皮質骨断面比は病態の解析に有用と考えられる。
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